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データから読み解く女子野球の拡がり 〜高校生編〜

女子野球は拡がっている

女子野球人口は増えている

近年よく耳にする言葉で、実際に高校の女子野球部や社会人クラブチームが増加していることからも実感できることである。しかしその具体的な数値を目にする機会は少ない。

今回は、高校女子硬式野球の大会参加チーム数を元に、女子野球に関するいくつかのグラフを作成し考察していく。※秋のユース大会は中学生チームが参加できる期間があったため、集計対象外としています。

中体連女子部員数と同様に2010年を分岐点に拡大する高校女子野球

まず、高校女子硬式野球の春・夏それぞれの参加チーム数(連合チーム含む)の推移がこちら。前回紹介した中体連の女子部員数の推移と同様に、2010年ごろから急速に増加していることが見て取れる

夏の大会に絞り、男子との参加チーム数の格差を表したグラフがこちら。大会開始当初、800倍もの差があったが、2022年には72倍まで縮まっている。未だにその差は大きいものの、昨年から決勝戦が甲子園で行われているなど、高校女子野球の注目度も確実に上がってきている。

ここで一つ気になる点として、春の大会と夏の大会との参加校数の差が挙げられる。同年を同軸で表した場合、春と夏の参加チーム数の差はチーム数が増加しているというプラスな意味で捉えられる(例:2022年の春の38チームから2022年夏の49チームまで11チームが増えている)。

ここで、夏と翌年春を同軸で表してみる。このグラフ上で春より夏の方が参加チーム数が多くなるということは、夏の大会に出場できていたが、翌年春には人数不足などによって出場できない高校が存在しているということになる(例:2021年夏には40チームが参加していたが、2022年の春には38チームと2チーム減少してしまっている)。

グラフで見ると、春の大会に出場できてない高校はあるものの、大会開始当初と比較すると改善されてきていると言える。2000年代前半には夏の大会から翌年春の大会でチーム数が大きく減少していたが、2010年以降は多くても2チームの減少に留めている。学生スポーツの特性上、ここの差が0になることは難しいことではあるが、多くの選手たちが短い高校野球生活の中で一つでも多くの大会に参加できることを願いたい。

中体連の部員数の増加と一致する高校女子野球部の増加

中体連の女子部員数推移と重ねて表したグラフがこちら。グラフとして照らし合わせると、中体連の女子部員数と高校の女子野球部の数の推移は同じような増え方をしていることが分かる。

一方で、男子を同様に表したグラフがこちら。女子と比較すると中体連の部員数と高校野球の大会参加校数の相関関係は低い。シニアやボーイズなど、中学部活動以外にも様々な選択肢がある男子と比較して、女子の方が中体連の部員数が高校の大会参加校数に直結しているとも言える

高校女子硬式野球では部員数のデータが公表されていなかったため、春と夏の全国大会の参加チーム数を元に考察した。甲子園や東京ドームでの決勝戦開催を始め、注目を集めることも多くなり、今後も参加チーム数は増加していくことが予想される。

明日から始まる夏の大会。初の甲子園開催で注目を集めた昨年以上の盛り上がりに期待です!!

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