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大学男子準硬式野球部で活躍する女子野球選手 神奈川大学・下枝弥月

昨年2月、「女子準硬式野球準備委員会」を立ち上げ、「女子選手の積極的な受け入れ」を表明した関東地区大学準硬式野球連盟

およそ1年間の活動の中で、女子選手の始球式、女子選抜チームの結成、女子野球の大会への参加など、さまざまな取り組みが行われました。

今年も大学受験シーズン、新歓シーズンを迎え、関東地区の各大学で女子選手の受け入れを推進しています。

今回は昨年から神奈川大学準硬式野球部で活躍する下枝弥月選手にご協力いただき、女子選手として準硬式野球部で活動した感想や実態をお話しいただきました。

また、下枝選手と同ポジションでキャプテンを務める濵田琉大選手にもご協力いただき、男子選手目線の意見や起用方法や練習メニューについてもお話しいただきました。

【濵田 琉大(はまだ りゅうた)】
2002年10月7日生まれ。神奈川県出身。内野手。
法学部法律学科2年。星槎国際高等学校湘南キャンパス出身。神奈川大学準硬式野球部主将。

【下枝 弥月(しもえだ みずき)】
2003年10月10日生まれ。神奈川県出身。内野手。
経営学部国際経営学科1年。小学校でソフトボールを始め、中学校では野球部、高校ではソフトボール部に所属し、神奈川大学進学後は準硬式野球部に入部。

女子選手として活躍する下枝選手・起用方法や練習メニューを考える濵田主将インタビュー

── 下枝さんは高校でソフトボール部に所属していたとのことですが、大学で準硬式野球部に入ろうと思ったきっかけは?

下枝選手:当初は大学で野球やソフトボールをやろうという考えはなかったのですが、たまたま新歓の時期に準硬式野球部に体験にいく機会がありました。そこで、高校野球をしっかりとやってきた人たちの野球に対する考え方や取り組む姿勢を見て、『この中に自分が入ったら何か得られるものがあるのかな』と思い、入部を決めました。

── 最初にみた時の印象はどの様なものだったのですか?

下枝選手:最初に試合をみたのですが、ベンチからの声が印象的でした。声をすごく出して盛り上げていくスタイルで、出ている選手が本当に楽しんでいることが伝わりました。

── 神奈川大学では今までに女子選手がいたことはあったのですか?

濵田主将:いないです。初めてです。

── 下枝さんが入部してきたときはどの様な反応がありましたか?

濵田主将:最初は男子と女子の身体付きの違いやスピード感の違いなど、『ついてこれるのかな?』という不安はありましたが、練習をやっていくにつれて、スピード感や技術的な部分でもそこまで差はないとわかったので、今は心配はないと思っています。

── では練習メニューも全く同じものをやっているのですか?

濵田主将:はい。そうです。

── 下枝さんは入部する時に不安だったことはありますか?

下枝選手:スピードもそうですが、パワーが男子と比べると圧倒的に足りないとわかっていたので、そこは不安でした。

── やはりパワーの差は課題になりますよね。実際にプレーしてみていかがですか?

下枝選手:どうしようもない部分はありますが、その中でもどうすれば対応できるかということを考えてやっています。守備での技術的な部分は磨けば男子にも追いつけるのではと思っています。

── キャプテンの濵田さんからみて、下枝さんの強みはどの様なところだと思いますか?

濵田主将:高校でソフトボールをやっていたこともあって、男子の打球に対して反応が遅れるということはないなと。捕球に関しては男子と差はないのかなと感じています。

── 昨年1年間で試合には出場しているのですか?

下枝選手:オープン戦では2試合目の後半で出させてもらえたり、大会でも相手校や試合状況次第で何イニングか出場したりしています。

── 部としての選手起用の方針はどの様なものなのですか?

濵田主将:大会はもちろん負けたら終わりなので、勝ちにこだわってやっています。OP戦は色々な選手に機会を与えてアピールしてもらいたいなと思っています。全選手を起用できるようになるべく2試合を組んだり、強いチームばかりが続かないようにバランスを考えたりなど、OP戦の組み方も副キャプテンや主務と協力してやっています。

── なるほど。大学準硬式は学生主体で運営していることが多いイメージがありますね。

濵田主将:そうですね。相手校とのやりとりも主務の学生とやることが多いので、準硬式では学生主体で運営している大学は多いと思います。

下枝選手:高校までの部活とは違って、監督やコーチなどの大人の意見には左右されずに野球ができるところは準硬の良さかなと感じています。

── 女子選手が男子選手の中で1年間プレーした中で、それぞれ苦労したことはありますか?

濵田主将:苦労したことと言われてパッと思いつくことはないです。練習メニューも同じものですし、OP戦も普通に出場しているので。

下枝選手:中学生までは男子の中でやっていたので、最初に入りにくいということもありませんでした。周りには自分よりも上手い人しかいないので、自分が苦労するということも特にないです。

── 女子選手が入部したことで今までと変わったこと、プラスになったことはありますか?

濵田主将:今までに女子選手はいなかったので、初めての経験、他ではできない経験ができていると思います。女子選手がいてくれるからこそ、もっと頑張らなければというモチベーションにもなっていると思います。

今後も女子選手の積極的な受け入れを推し進める準硬式野球 女子選手が活躍するためには?

── 今後、他大学で女子選手が入部した際に気をつけたほうが良いと感じることはありますか?

濵田主将:そうですね…むしろ気を遣わないというか、女子選手だからといって過保護に扱うのではなくて、男子でも女子でも対応を変えないことが大事かなと思います。

下枝選手:「男子だから」「女子だから」ということではなく、普通に接してくれたらいいと思います。

── どういった選手が準硬式野球にマッチすると思いますか?

下枝選手:準硬式野球は本当に上を目指すチームから、サークルに近い形で「野球を楽しもう」というチームまでさまざまなので、どこかしら自分に合う部があるのかなと思います。

── 大学準硬式でさらに女子選手を受け入れていくためにはどの様なことが必要だと思いますか?

濵田主将:大学によってレベルがそれぞれなので、本当にトップレベルの大学では厳しいのかなとも思います。神奈川大学もそうですが、勝つことだけではなく、明るく野球を楽しむということを第一にやっている部がたくさんあると思うので、そういった大学でどんどん女子選手を受け入れていければいいのかなと思います。

下枝選手:女子選手は興味があったとしても最初はどうしても行きづらいと思います。準硬に興味を持って半歩でも踏み出してくれた女子選手に声をかけてくれるチーム・選手が増えればいいなと思います。

── それでは最後に、今後の大学準硬式野球生活の意気込みをお願いします!

下枝選手:男子の中でプレーさせてもらえているという貴重な経験の中で得たものを外に発信したり、周りの人に伝えていけるようなことができたらいいなと思います、他の女子選手が準硬式でやりたいと思えるような実績を残せたらいいなと思います!

濵田主将:昨年は春夏のリーグ戦で優勝、全国大会出場、秋の関東大会優勝という結果を残せました。チームとしては楽しく野球をして、昨年以上の成績を残せるように、下枝選手にも個人のスキルを磨いてチームに貢献してもらえればいいなと思います。

女子選手が活躍するために必要なこととは? 神奈川大学準硬式野球部選手アンケート

実際に女子選手が活躍する神奈川大学準硬式野球部の部員にもアンケートという形で意見をいただきました。

── 男子選手と女子選手が一緒にプレーすることのメリットはどのようなことだと思いますか?

斎藤勇太選手:色々な考え方を吸収できる。

清航太朗選手:選手人口の増加と準硬式野球の知名度が上がる。
女子野球選手の選択肢が増え、より多くの人が野球を続けることができるようになる。

吉岡太陽選手:減少している野球人口の中で競技者を増やす一因となり、さらなる競技レベルの上昇へ繋がること。

近藤優介選手:高校で女子野球をやっていた子などを受け入れることができるようになる。

── 男子選手と女子選手が一緒にプレーする際に気をつけなければならないことはどのようなことですか?

辻瑠名子Mg:特に女子の怪我

近藤優介選手:体格などの違いは当然あるため、バットなどを変える必要はある。

沢田幸翼選手Mg:ない、プレーする限り気を使わない

石橋優太選手:男女での価値観の違いを押し付けること。

吉岡太陽選手:本気でやること。→明らかに手加減されていても面白くはないのではないかと考える。

── 関東地区大学準硬式野球連盟として「女子選手の積極的な受け入れ」をさらに推し進めていくためにはどのようなことが必要だと思いますか?

斎藤勇太選手:準硬式をもっとひろめる

越中悠平選手:女子のリーグを作る

稲葉智也選手:女子選手の偏見やデメリットなどをなくして1人の選手として野球をプレーできる環境づくりが必要だと思う。

清航太朗選手:実際にリーグ戦で女子選手がプレーしている姿を見せたり、女子野球の大会を行なっていることを多くの人に知ってもらう必要があると思う。

辻瑠名子Mg:男子選手と同じ土俵であるだけでやりずらい人はたくさんいるように思うので、女子チームの積極的な制作が重要だと思います。

近藤優介選手:前例がないと人は集まらないため、現在所属している女子選手をもっと推し出すことやSNSなどを活用して準硬式では女子選手を受け入れていることを発信していくこと

今回、実際に女子選手として活躍する神奈川大学の下枝選手、選手の起用を考える立場でもある濵田主将、下枝選手と共に活動する部員の方々からさまざまな意見をいただきました。

「女子は女子でリーグを作ることが理想」という様な意見もありましたが、女子選手がいることで、「違った角度からの考え方を吸収できる」「準硬式の野球全体の部員数の増加にも繋がる」といったようなポジティブな意見も多く見られました。

また、「特別扱いをしないほうが良い」という意見が大半ではありましたが、やはり怪我の心配や「道具は別のものを用意すべき」などの意見も聞くことができました。

大学準硬式に限らず、女子選手が男子選手との競争に勝つということは難しく、一緒にプレーをする中で越えなければならない壁もまだまだ多いように感じます。それでも、女子準硬式野球準備委員会を筆頭に、準硬式野球では女子選手をフォローする体制が整っており、活躍するチャンスはあるように感じます。

準硬×女子野球。相乗効果で更なる発展に期待です。

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