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「準硬式×女子野球」甲子園大会を終えて

ダイバーシティ・インクルージョンや文武両道、社会に貢献できる人材育成という精神のもと、海外遠征や学生主体の大会運営、女子選手の受け入れ、女子野球の大会運営ボランティアなど、様々な活動を行う大学準硬式野球。

今年11月には準硬式史上初めて甲子園球場で東西対抗戦を開催予定も当日は生憎の雨天で試合は中止に

最終日の甲子園での一戦こそ中止となったものの、3日間にわたって開催されたプログラムは淡路島での交流戦やインテグリティ研修などが行われ、雨が降り出す前の午前中の甲子園で行われた女子硬式野球大学選抜チームの試合も観戦しています。

今回は、関東地区大学準硬式野球連盟を中心に「女子選手の積極的な受け入れ」を推し進める大学準硬式の選手やマネージャーたちに女子野球を見た感想や準硬式や女子野球がより良い世界になっていくために必要なことはどのようなことなのか、意見をいただきました。

女子野球を見たことがなかった学生がほとんどとのことでしたが、「野球に対する熱い思い」をもった日本トップレベルの大学生たちから貴重な意見をいただくことができました。

高校女子野球→大学準硬式 熊田桜さん(埼玉栄→東北学院大)から見た大学女子野球

まずは、高校時代は女子硬式野球部で選手として活躍、現在は大学準硬式野球部でマネージャーとして活動し、今回の甲子園大会にボールパーソンとして参加した熊田桜さんにお話を聞かせていただきました

[熊田桜さん略歴]
埼玉栄高校女子硬式野球部(選手)
東北学院大学準硬式野球部(マネージャー)

── 憧れの甲子園。試合こそできませんでしたが、初めての甲子園はいかがでしたか?

熊田さん:感動しました。テレビで見ているやつだな。ベンチからはこういう目線なんだなと。試合はできませんでしたが、甲子園に行けたこと自体がすごくいい経験になったと思います。ぜひ来年もう一回開催して、準硬式の大学生たちの楽しみになって欲しいなと思いました。

── やはり野球人にとって甲子園は特別な場所ですよね。3日間のプログラム全体を通してはどうですか?

熊田さん:関東地区のマネージャーさんや学生委員の方々の働きぶりを間近でみて、SNSなどの発信活動など、私自身もまだまだ頑張らなければいけないなと感じました。関東の大学の方々と様々な交流もできて、練習試合をしようという話にもなったので、すごく意味のある3日間だったと思います。

── こういう機会がなければなかなか経験できないことですよね。それでは次に、大学女子硬式野球選抜の試合を見た感想を教えてください。

熊田さん:女子野球を見るのは久しぶりだったので、懐かしいなと。高校の同級生だった石垣麻弥乃(尚美学園大)、高校時代に対戦していた生井美桜(平国大)が活躍しているところも見れて、まだみんな頑張っていてすごいなと思いました。

── 同世代の選手が活躍していることを見て、また熊田さん自身もプレーをしたくなったのではないですか?

熊田さん:思いました。女子選手がたくさんいる環境の中で一緒にやりたいなと。自分も大学で続けていたら、もしかしたら選手として甲子園の地に立つことができたのかなとも思いました。実際にあのレベルの選抜に選ばれているかは別問題ですが…(笑)

── 大学選抜のレベルはどうでしたか?

熊田さん:年々レベルが上がっているなとは思いましたが、(石垣)麻弥乃は高校時代から上手かったので相変わらず上手いなと思って見ていました。ただ、一緒に試合を見ていた準硬式の選手たちは「女子野球レベル高くない?」というような反応だったので、それはすごく嬉しかったです。

── 今回の大学選抜を見て、また準硬式の選手たちの反応を見て、「準硬式×女子野球」にはどのような可能性を感じましたか?

熊田さん:まず、準硬式の選手たちが「すごくレベルが高い」と思ってくれたのが嬉しかったです。準硬式の選手がそう思ってくれるなら、女子選手が活躍できる可能性もあるのではないかなと感じました。東北地方は大学女子野球部が少ないですが、準硬式でも女子選手が活躍できるということをPRできれば、東北学院大学でも、他の大学でも入ってもらえるし、受け入れてもらえるのかなと思いました。

── 東北選抜チームが組めるくらいになったらいいですね。

熊田さん:そうですね。それこそ、今年は関東の準硬女子選抜が大会に出たりしていたので、東北の女子選抜と試合ができるようになればいいなと思いました。また、硬式と準硬式でも試合をすることはできると思うので、新たに女子野球部ができた仙台大学や東北各地の高校生と試合をするというようなこともできればいいなと思います。そしていつかは甲子園で、女子準硬式の東西選抜が対戦するというような未来になればいいなと思います。

── 準硬式が甲子園で午前中は女子の東西選抜、午後は男子の東西選抜というような形でできるようになれば、準硬式としても女子野球としてもすごく夢のある世界になりますね。貴重なご意見、ありがとうございました。

女子野球と準硬式野球の双方を知る熊田さんは今回の甲子園での一戦、またその試合を見ていた選手たちの反応を見て、「準硬式×女子野球」の可能性はまだまだ伸びしろがあると感じたとのことでした。

それでは女子野球のことをあまり知らない、または今回の試合で初めて見た準硬式の大学生たちは「女子選手の受け入れ」についてどのように感じたのでしょうか。次項からは準硬式の学生たちに意見を聞かせていただきます。

甲子園での試合を通して、準硬式の学生が感じた女子野球への印象

── 大学女子硬式野球選抜の試合を見て、どのようなことを感じましたか?

藤中壮太選手:[法政大学/選手]
レベルが高い。激アツ

梶田健斗選手:[愛知大学/選手]
自分の想像よりも断然レベルが高かった。

保坂将輝選手:[亜細亜大学/選手]
白球を追いかける貪欲な姿勢、勝利の為の全力プレーは野球人として変わらないのだと感じました。

小国優真選手:[福岡大学/選手]
守備が丁寧で送球などを相手のことを思いやりプレーしている印象が強かったです。

荻原将太選手:[北星学園大学/選手]
初めて女子野球を見ましたが、スピード感というのは思ったよりもありました。男子とは違う明るさというのもありました。

萬代さくらさん:[関西大学/マネージャー]
女子野球は初めて観戦しましたが、女性ならではの細かい動きの中に、野球選手としての力強さを感じました。

西井野乃花さん:[関西学院大学/マネージャー]
甲子園というと阪神タイガースや高校球児のイメージが強いが、甲子園で女子の選手がハツラツとプレーしている姿を見て、とても新鮮で素敵だなと感じた。また、男性や女性、硬式や準硬式、軟式に関わらず、甲子園が野球を一生懸命プレーしている全ての選手が目指せる場所であってほしいと感じた。

今まで女子野球を見たことがないという学生も多くいたようですが、甲子園での一戦を通して、準硬式野球部に所属する学生たちにも女子野球の魅力やレベルの高さは伝わったようです。

次に、実際に女子選手が大学準硬式野球で男子と共に活動していくことは現実的に可能なのか、またどのような課題が残るのかという点を聞いてみました。

大学準硬式に女子選手を受け入れていくことでどのような効果があるのか?

── 今回の女子選手の試合を見て、自チームに女子選手を受け入れた場合、どのようなメリットがあると思いますか?また、どのようなことが課題になると思いますか?

平田正明さん:[創価大学/学生委員長]
試合を観ただけでは正直一概に判断はできない。今回の大会には高水準の選手が参加しているため、参加者で言えば準硬式のレベルにも対応できると思う。

平澤いちこさん:[北海学園大学/マネージャー]
男女で考え方や価値観の違いが生まれてくる事は課題になると思うが、その違いをどのように受け入れ取り入れていき新しい野球観が産まれてくることがメリットであるのではないかと感じた。

石田周作選手:[横浜国立大学/選手]
男子選手と体格が違う中で取り組む姿勢や女子選手が少ない中で野球を続ける姿勢に対して、自分たちももっと頑張ろうという気持ちになれるメリットがあると思う。体格の違いによる打球の速さや投手の球の速さによる怪我の心配性や更衣室の準備などは課題となる。

藤澤駿平選手:[関西大学/選手]
女子選手にしかわからない目線やプレーなどがあると思うので、そのようなことを聞けると思います

吉川遼祐さん:[滋賀大学/審判]
実際に私たちのチームにも女子部員がいますが、とても直向きに自身の課題と向き合い真剣に練習をしています。その姿勢はチームメイトにもよい刺激を与えていると思います。その反面、どうしても男子の身体能力と張り合うには限界が出て来て、その壁に直面しています。本人の努力と見合った結果がなかなか出ないというのが現状です。

富永直樹選手:[香川大学/選手]
メリットとしては所属部員の刺激になると考える。体力的な部分で男子の方が有利なことが多いが、今大会で見たようにハイレベルなプレーを見れば、奮起する材料に十分なり得ると感じた。逆に課題はトレーニング量を考慮する必要が出てくると考える。根本的な体力・心肺能力に差があるため、そこを考慮したメニューを考えないと怪我に繋がりかねないと思った。

新居龍聖選手:[同志社大学/選手]
レベルの高い女子選手が入ることにより、他の選手たちが、より一層負けてられないという気持ちで練習に励むことで底上げを図ることができると思う。しかし、その選手を大会で起用できないため、女子選手の練習へのモチベーションの維持が難しくなる。

レベルや体格の違いによる怪我のリスクや更衣室を始めとする環境面での課題こそ出たものの、基本的には女子選手を受け入れていくことに前向きな意見がほとんどでした。

大学トップレベルの試合を観戦しての感想なので、全ての女子選手が準硬式の高いレベルについていけるのかというような部分も課題となることだとは思います。

また、「女子選手自身のモチベーション」という部分が課題になるとの意見も。関東地区連盟のように、女子準硬式野球選抜での合同練習や大会参加など、準硬式に所属する女子選手が活躍できる仕組みづくりは今後さらに進めていかなければならない部分だとも感じました。

「準硬式×女子野球」相乗効果でより良い未来を作っていくためには…

── 今後、女子野球や準硬式野球がより良いものになっていくためにはどのようなことが必要だと思いますか?

後藤温紀選手:[専修大学/選手]
高校生等をさらに勧誘すること。

森田勇太選手:[甲南大学/選手]
まずは、さまざまな人に知ってもらうこと。

石井竜弥選手:[中央大学/選手]
今回のような大舞台で活躍する場を設けてあげる。

近藤海斗選手:[西南学院大学/選手]
女子野球においても準硬式野球においても現在取り組んでいるYouTubeやSNSでの発信が必要だと感じます。

中村哉太選手:[専修大学/選手]
注目される機会が少ないため大々的にやる大会を年に一回やり、クラウドファンディングなどで集まった資金で大学運営などしていくことにより認知度が上がり、多くの人数で楽しめると思います。

山下皓司選手:関西大学/選手]
もっと多くの人に女子野球や準硬式野球がこれだけレベルが高いということを広めていくことが必要だと思う。

菅原智之さん:[久留米大学/西日本選抜コーチ]
高校生への情報発信と、卒業生が社会で活躍する事だと思います。

菅原智之さん:[東北学院大学/選手]
とにかく発信していくのが大切だと思う。今回の甲子園大会もそうだが、何か世間に影響を与える活動をしていれば自ずと規模も大きくなりいいものになっていくと思う。

どの学生も口を揃えて言うことが「発信していく」ということ。

準硬式や女子野球は魅力的な世界であるものの、その認知度は一般的にはあまり高くありません。

準硬式や女子野球のことを知らないまま野球選手としての人生を終えてしまったり、知っていればもっと活躍できた可能性があった選手も多くいると思います。

誰でも気軽に発信することができるようになった現代社会。SNSの使い方に長けた大学生たちの力が野球界を変えていくことになるかもしれません。

大学準硬式史上初のイベント 甲子園大会を終えて学生たちが感じたこととは

── 最後に、先日の甲子園大会全体を通しての感想をお願いします。

奥野彰二さん:[同志社大学/西日本選抜コーチ]
当初思っていたよりも大変意義深い大会運営でした。できれば継続をお願いしたい。

西井野乃花さん:[関西学院大学/マネージャー]
3日間の遠征を通して、プロジェクトチームの方々をはじめ、史上初となる甲子園球場での準硬式の試合開催に、どれほどのお金と力が必要だったのかということを身に染みて感じた。試合は雨で中止になってしまったが、甲子園のグラウンドに立たせていただくことができ、大会開催のために尽力して下さった方々への感謝の気持ちでいっぱいです。

保坂将輝選手:[亜細亜大学/選手]
甲子園は聖地。それだけを強く感じました。もう一度チャレンジしたいです。

吉川遼祐さん:[滋賀大学/審判]
あいにくの天気で試合をするには至りませんでしたが、球場内に実際に足を踏み入れ、憧れ続けた景色を見ることができたことに大変感激しております。そしてこの景色を見るためにたくさんの人に支えていただきました。今まで私の人生、そして野球人としての野球人生に関わってくださったすべての方々への感謝の思いが溢れて来ています。病を乗り越え、大学でも準硬式という形で野球を続けてよかったと心から思います。また、プロジェクトチームの方々にも私たちが見えるところ、見えないところでたくさんご尽力いただきました。本当にありがとうございました。

新居龍聖選手:[同志社大学/選手]
試合以前に、各地区から集まってきた選手、マネージャー、トレーナー、首脳陣や大会関係者の方々と交流できたことが非常に良かった。普段、ほとんど関わる機会のない遠い地区の方と意見交換ができ、学ぶことが多かった。また、キャリアアップ、インテグリティ研修もあり、有意義な3日間を過ごすことができた。

嶋田友選手:[東北学院大学/選手]
まず初めに甲子園大会を行うにあたって選出して下さった連盟の方、この大会の運営をされた方々に感謝申し上げます。試合を行うことは出来ませんでしたが甲子園の雰囲気を感じ、実際にグランドに立つことができ夢を叶えることが出来ました。また選抜内で他のチームメイトと交流を通して、全国のレベルを知り自分の価値観も変わりました。来年またこの大会が開催されるかは分かりませんが、ぜひまたこのような機会があると準硬式野球が更に盛り上がっていくのではないかと感じました。

澤本光司選手:[金沢星稜大学/選手]
天候不良により開催することはできなかったが、大学準硬式野球が甲子園の土を踏んだことは、準硬式野球の歴史に大きなものを築いたと思う。今後の発展の基礎になると思う。

この項は女子野球・女子選手の話題とは少し離れる部分ではありますが、準硬式の学生たちから甲子園や野球に対する熱い思いを聞くことができました。

軟式や準硬式、男子や女子、様々な野球がありますが、甲子園への憧れや思いは共通しているものだと改めて認識し、筆者自身も一野球人として、大学準硬式野球・女子野球双方の更なる発展を願いたいと思いました。

また最後になりますが大学準硬式野球連盟のみなさま、アンケートや取材へのご協力、そして貴重なご意見をいただきありがとうございました!

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