高校女子野球選抜 vs イチロー選抜KOBE CHIBEN 試合結果
昨年、初の試みとして行われたイチロー氏が率いるチーム「KOBE CHIBEN」と「高校野球女子選抜」とのエキシビジョンマッチ。
東京ドームで開催され、松坂大輔氏が4番ショートとして出場したことでも注目を集めた一戦の模様を女子野球目線でお届けします。
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女子選抜が先制するも逆転を許し、イチローが131球1失点完投勝利
女子選抜の先攻、KOBE CHIBENの後攻で行われたこの試合。
女子選抜は1回表、2番原田由真(開志学園)が四球を選び出塁すると、「試合前のイチローさんの打撃練習を見て、トップの作り方を真似した結果打てた。」と話した3番森崎杏(福知山成美)が放った打球は右中間を破り、先制の適時三塁打となる。
1点を先制した女子選抜は昨年の選手権・ユース大会を制した日髙結衣と安藤蓮姫の神戸弘陵バッテリーが先発。先頭打者の二遊間に飛んだヒット性の当たりをショート・東ここあ(福井工大福井)が好捕もこれが内野安打に。
その後4番松坂大輔氏の一塁強襲の安打で一死満塁とすると、後続に2点タイムリーを浴び、逆転を許す。先発の日髙はその後は立ち直り、2回はイチロー氏を含め、3者凡退に抑えるピッチングを披露した。
KOBE CHIBENは続く3回、無死二三塁のチャンスで女子選抜の2番手・澤田百華(作新学院)から4番松坂氏がレフト前に放ち、1点を追加するも女子選抜のレフト・森花楓からの好返球で二塁走者を本塁封殺。続く5番打者の右飛の際に松坂氏がアウトカウントを間違えるミスでダブルプレーとなる場面も見られた。
女子選抜の2番手・澤田は120km/hをコンスタントに超える力強い直球とスライダーのコンビネーションで4回には二者連続三振を奪う快投を見せた。
女子選抜はその後、京都両洋の左腕・渡邉未来、日南学園の右腕・大山智絵、福知山成美の横腕・伊藤と繋ぐも、パワーのあるKOBE CHIBEN打線を抑えこむことはできず、8回までで16安打7失点。
打ち取った当たりが内野安打になる場面やゲッツーを取りきれず走者を残してしまうなど、特に走力の部分で男女の差が出てしまう攻防となった。
女子選抜は4回表の攻撃で履正社高校の主将・真砂寧々が安打を放ち二死一二塁のチャンスを作るも後続が続かず無得点。その後も相手失策でチャンスを作る場面はあったが最終回まで130km/hを超える直球を投げ続けたイチロー氏の前に2安打14三振と封じ込められた。
イチロー氏は「ボロボロです」と話しながらも、131球を投げきり、完投勝利を飾った。
澤田百華投手・森崎杏選手・真砂寧々選手:試合後インタビュー
2番手で登板し、2回2奪三振の好投を披露した 澤田百華投手(作新学院高校)
「最初は緊張していましたが、ドームに入ってからはみんなとやることも楽しかったし、イチローさんとやることも楽しみにしていたので、全力で投げて楽しもうと思っていました。小さい頃に見ていたイチローさんが近くにいることにびっくりしているし、小さい頃の自分に『野球を続けて良かったよ』と言ってあげたいです。」
初回に先制のタイムリースリーベースを放った 森崎杏選手(福知山成美高校)
「タイミングを取ることが課題で、イチロー選手のバッティング練習を見て、トップの取り方を真似したら結果が出たので、イチローさんのおかげです。(今日の試合について、)一生忘れないです。これ以上のものを得られるか分からない、すごくいい経験になりました。」
チーム2本目の安打を放った 真砂寧々選手(履正社高校)
「打席の中での記憶はあまりありませんが、(一塁)ベースに立った瞬間に本当に嬉しくて夢のようでした。今日の朝からYouTubeでイチローさんのピッチングとバッティングを見て、タイミングを取ったり、バッティングの真似をしてきたので、本当に良かったです。ここで学んだことをしっかりチームメイトにも伝えていきたいです。」
1万人以上の観衆に届いた女子野球の魅力 この一戦をきっかけに女子野球の更なる発展に期待
イチロー氏・松坂大輔氏の2009年WBC以来の共演、東京ドームでの開催ということもあり、女子野球界では過去にないほどの注目を集め、球場にも1万人を超えるであろう観客が押し寄せていました。
おそらく、この大半がイチロー氏や松坂氏を見るために訪れた観客だとは思いますが、この試合を通して女子野球の魅力も伝わったことだと思います。
また出場した女子選手たちもイチロー氏との一戦を通して、今後の女子野球界を担っていく選手になっていくことが期待されます。
多くの野球ファンに見てもらうきっかけとして、選手の成長のきっかけとして、この一戦が女子野球界にもたらしたものは大きいものだったと思います。女子野球界の更なる発展に期待です!
拡がれ女子野球!